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2012年05月31日

林田力wiki:荒川弘『鋼の錬金術師』

荒川弘『鋼の錬金術師』は『月刊少年ガンガン』で連載していた漫画作品である。「ハガレン」の略称で親しまれ、最終回が掲載された『月刊少年ガンガン』は売り切れるほどの人気作品である。2003年にテレビアニメ化され、2005年には映画『シャンバラを征く者』が公開された。

『鋼の錬金術師』は錬金術が使える架空の世界を舞台にした物語である。エドワード(エド)とアルフォンス(アル)のエルリック兄弟は病気で亡くした母を錬金術で蘇らせようとして失敗。エドワードは左足と右腕を失い、身体を失ったアルフォンスは魂を鎧に定着させることで生き延びた。身体を取り戻すために旅に出た兄弟は、軍部の陰謀に直面することになる。

『鋼の錬金術師 20』で過去の回想がメインであった直近の巻から、ストーリーが大きく動き出す。冒頭でホムンクルス(人造人間)が襲撃してくる。これまで圧倒的な強敵として描かれてきたホムンクルスであったが、ここでは錬金術師側が優勢である。知恵と団結でホムンクルスに対抗する。

しかもホムンクルスに脅迫された被害者としての印象が強かったティム・マルコーが活躍している。主要登場人物に助けられ、救われるだけの存在と思っていたが、この戦いではかっこよく描かれている。この巻では、他にも軍部の実験でキメラ(合成獣)とされた後、主人公側に寝返った軍人が活躍する。彼らは、登場時は敵役であって、やられ役であった。正直なところ、これほど活躍することになるとは想像できなかった。

物語として描く場合、主人公や主要な仲間達ばかりが活躍する傾向になりやすい。また、読者層を考えれば少年少女が活躍しなければ支持を得にくい。いきおい強大な敵勢力にアウトロー的な主人公一行が孤軍奮闘する展開となりがちである。

これに対し、本作品の魅力は脇役の活躍が光っている。これがストーリー展開にリアリティを持たせ、作品の奥行きを深めている。この巻はホムンクルスとの最終決戦が近付いていることを示唆して終わる。

軍部内でもホムンクルスに対抗するグループが慎重に連携して決戦に備えている。この巻の戦いでは綿密な準備によってホムンクルスに勝利できることが示された。最終決戦でも人間側がホムンクルスを出し抜くことができるのか。今後の展開が楽しみな終わり方であった。

ハガレンの魅力は物語性にある。人気のある連載漫画は商業的な意向から引き延ばされる傾向がある。しかし、ハガレンでは人気のある中で最終回を迎えたことが示すように物語としてのまとまりを優先させた。

人気のある限り連載を続ける作品ではないため、キャラクターも考え抜かれている。『鋼の錬金術師 26』の見どころは七つの大罪を象徴するホムンクルスの一人・傲慢(プライド)を意味するセリム・ブラッドレイとの戦いである。セリムはエドと戦うが、意外な人物に邪魔される。

その人物は登場時から独特のポリシーを有していた悪役であった。その所業は道義的に決して許されるものではないが、彼には悪の魅力、悪の華というものがあった。その彼が単なるヤラレ役、強敵の引き立て役で終わってしまうことはもったいないと思っていたが、ここで活躍させる予想外の展開には舌を巻いた。

彼は最後まで自らの美学に沿って行動した。もし彼が最後に改心して善人となる御都合主義的な展開ならば、彼の魅力を損なってしまっただろう。しかし、彼は最後までブレないまま、それでいながらエドの戦いに影響を及ぼし、エドを深く理解していた。

集団主義的な日本社会では他者に同調するか否定するかの両極端に走り、異なる個性として他者を理解するということが不得手な傾向がある。その点で自己の美学を保ちながら、相反する価値観の他者(エド)を理解できる彼は魅力的なキャラクターである。このようなキャラクターが物語を構成していることがハガレンの魅力である。
http://www.hayariki.net/5/26.htm
王道的なバトル漫画において仲間との絆は重要な要素である。少年ジャンプの三本柱の一つに友情があるほどである。しかし、王道バトル漫画において仲間との絆の扱いは非常に難しい。最後は圧倒的な力を持ったラスボスを、それを上回る力を持った主人公が倒すという展開が待っているためである。

主人公が活躍しなければ王道バトル漫画にならない。しかし、それは仲間との絆がなくても、主人公が圧倒的な力でラスボスを倒せば済んでしまうことを意味する。それでは味気ないために仲間との絆が挿入されるが、取って付けたようなエピソードでは面白くない。

この点で最終巻『鋼の錬金術師 27』は秀でている。主人公がラスボスを倒すという見せ場を用意するが、そこに到るまでに仲間の戦いが必要であることが描かれる。さらにグリードのエピソードによって仲間の価値が示される。(林田力)
  

Posted by 林田力 at 22:46Comments(0)

2012年05月31日

書評のポリシー

レスが遅れまして申し訳ありません。御指摘の女性観については私も似たような意見は抱いています。そこは文章で指摘しており、お汲み取りいただければ幸いです。好意的にまとめていますが、書評は原則として好意的にまとめるポリシーとしています。評価できないところがあるとしても、そこを強調するよりも評価できる点を指摘しています。私が一番嫌いなのは偏狭な左翼や右翼のように少しでも自分の意見に合わなければ全否定することです。
一方で全否定するスタンスを全て否定するつもりではありません。私自身、東急リバブル東急不動産に対して良いところもあるが、悪いところもあるという考え方は採りません。根本的に問題があると考えているからです。それ故に、ある著者に何が何でも許せないという信念があるならば、それは尊重したいですが、何でもかんでも自分の考えに少しでも合わないものを批判というのは偏狭です。
橋下市長については書籍では触れていないため、書評の対象外です。橋下大阪市長は反新自由主義の観点から支持しません。しかし、橋下市長の独裁を批判する側が寛容に満ち溢れているかと言えば、そうではありません。これは石原慎太郎批判でも共通します。
公務員叩きへの反論の中には公務員の給与を下げると消費が抑制され、景気が悪化して民間にも跳ね返るなどという噴飯物の議論もあります。これは新自由主義のトリクルダウンセオリーと同じです。
  

Posted by 林田力 at 19:45Comments(0)

2012年05月30日

女の香り、冷酷な医者

韓国ドラマ『女の香り』には冷酷な医者が登場する。細身で眼鏡をかけた秀才肌の人物であるが、人情を理解せずに、患者や家族に冷酷な言葉を吐く。本人は説得しているつもりかも知れないが、逆効果である。
この医師が高齢の患者の前で冷酷な言葉を吐いた直後に容態が急変して死亡する。それでも本人は因果関係がないと無反省である。
それ故に患者が離れ、同僚医師からも疎外されるシーンは爽快である。主人公との触れ合いの中で人間性を取り戻す展開が容易に予想できるが、それまで彼が傷つけてきた人々のことを考えると複雑である。
  

Posted by 林田力 at 19:45Comments(0)

2012年05月29日

林田力

林田力は『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』(ロゴス社、2009年)の著者の著者であり、東急不動産消費者契約法違反訴訟原告である。東京都中野区生まれ。

Hayashida Riki is the author of " The Suit TOKYU Land Corporation's Fraud: How to Win" and the plaintiff Who Fought Against TOKYU Land Corporation.

林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を隠して東京都内の新築分譲マンションをだまし売りされた。東急リバブル・東急不動産は新築マンション引き渡し後に隣地が建て替えられて、日照・眺望・通風がなくなることを知っていたにもかかわらず故意に告げなかった。隣地が建て替えられれば部屋は真っ暗になり、作業所になるため騒音も発生する(山岡俊介「東急不動産側が、マンション購入者に「不利益事実」を伝えなかった呆れた言い分」ストレイ・ドッグ2005年2月21日)。

このために林田力は消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)に基づいてマンション売買契約を取り消し、売買代金の返還を求めて東急不動産を東京地方裁判所に提訴し、勝訴した(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地判平成18年8月30日、平成17年(ワ)第3018号)。

判決は以下のように東急不動産の不利益事実不告知を認定した。その上で、東急不動産に売買代金の全額支払いを命じた。

「被告(注:東急不動産)は、本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、原告に対し、本件マンションの完成後すぐに北側隣地に3階建て建物が建築され、その結果、本件建物の洋室の採光が奪われ、その窓からの眺望・通風等も失われるといった住環境が悪化するという原告に不利益となる事実ないし不利益を生じさせるおそれがある事実を故意に告げなかった」

この判決は不動産取引に関して消費者契約法4条2項(不利益事実の不告知)を適用し契約の取消しを認めたリーディングケースである(佐藤裕一「東急不動産で買ってはいけない 被害者が語る「騙し売り」の手口」MyNewsJapan 2009年9月3日)。

この東急不動産だまし売り裁判を契機として、インターネット上では東急リバブル・東急不動産に対する批判が急増した。「営業マンの態度が高慢」「頼みもしないDMを送りつけてくる」など「自分もこのような目に遭った」と訴訟の枠を越えた批判がなされ、炎上事件として報道された(「ウェブ炎上、<発言>する消費者の脅威−「モノ言う消費者」に怯える企業」週刊ダイヤモンド2007年11月17日号39頁)。

林田力は2009年7月には東急不動産との裁判を綴ったノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』を出版する。『東急不動産だまし売り裁判』は『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』(2010年11月1日発行)の「警察、学会、農業……の危険な裏 告発本が明らかにした「日本の闇」」で紹介された。林田力のコメントも掲載されている。
http://yaplog.jp/hayariki/archive/639

林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク・東京準備会「第3回首都圏交流会」(2009年11月24日)や「もめごとのタネはまちづくりのタネ研究会」定例会(2010年2月5日)でも東急不動産だまし売り裁判を報告した。

その後もマンション被害や住民運動を取材する。東急不動産だまし売り被害者として、林田力はマンション建設反対運動やゼロゼロ物件詐欺、追い出し屋被害に対しても強い共感をもって行動している。東京都世田谷区の二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)の住民被害や反対住民運動を詳細に紹介し、「世田谷問題を精力的に取材されているネット・ジャーナリスト」と評される。マンションだまし売りやゼロゼロ物件詐欺など悪徳不動産業者の実態を明らかにすることで、消費者や住民の権利拡張に寄与している。
  

Posted by 林田力 at 20:46Comments(0)

2012年05月29日

アソシエイト下巻

アソシエイトはジョン・グリシャムのリーガルサスペンスである。下巻でも弁護士報酬のデタラメぶりが描かれる。過大請求、水増し請求、無関係な飲食費まで依頼人に請求する。悪徳リフォーム業者も真っ青である。サスペンスそのものよりもハイエナ法律事務所の腐敗ぶりが印象に残る。
コスト意識のある企業がデタラメな弁護士報酬を法律事務所の請求通りに支払うことが不思議であるが、そのカラクリも解説される。法務セクションは出費を切り詰めることではなく、確保した予算を使いきることにモチベーションが働くという官僚的体質になっているためである。弁護士報酬を精査することがハイエナ弁護士撲滅の道である。
主人公は過去の乱行を隠蔽しようとする点で道徳的に評価できないが、弁護士倫理を守ろうとする一点で主人公たりえた。しかし、下巻では弁護士倫理遵守精神が独り善がりなものであることが顕になる。持ち出した情報に価値がない、依頼人に実害がないということは、窃盗であるか、守秘義務違反であるかという論点とは関係ない。依頼人や社会の視点が欠けている。ここにモンスター弁護士の萌芽がある。他者性を持たず、独り善がりな視点で倫理を守っていると盲信する存在は厄介である。林田力
  

Posted by 林田力 at 20:11Comments(0)

2012年05月29日

東急不動産だまし売り裁判は法律の世界

東急不動産だまし売り裁判は法律の世界の出来事である。民主主義の礎石としての法律であり、社会問題の戦いの最前線としての法律である。『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』は消費者契約法の裁判で繰り広げられるクリミナルなドラマを描いたノンフィクションである。
消費者運動家は愛想のいい笑顔で温かな握手をする好感が持てるタイプの人物であった。悪徳不動産業者は、できるなら握手などまっぴらと思っているような、しかめ面の人物であった。
  

Posted by 林田力 at 19:38Comments(0)

2012年05月28日

鋼の錬金術師最終回

王道的なバトル漫画において仲間との絆は重要な要素である。少年ジャンプの三本柱の一つに友情があるほどである。しかし、王道バトル漫画において仲間との絆の扱いは非常に難しい。最後は圧倒的な力を持ったラスボスを、それを上回る力を持った主人公が倒すという展開が待っているためである。主人公が活躍しなければ王道バトル漫画にならない。しかし、それは仲間との絆がなくても、主人公が圧倒的な力でラスボスを倒せば済んでしまうことを意味する。それでは味気ないために仲間との絆が挿入されるが、取って付けたようなエピソードでは面白くない。
この点で鋼の錬金術師は秀でている。主人公がラスボスを倒すという見せ場を用意するが、そこに到るまでに仲間の戦いが必要であることが描かれる。さらにグリードのエピソードによって仲間の価値が示される。林田力
  

Posted by 林田力 at 22:46Comments(0)

2012年05月28日

『三毛猫ホームズの推理』「完全犯罪!?放火の真実を追え」

テレビドラマ『三毛猫ホームズの推理』第7話「完全犯罪!?放火の真実を追え」は貧困ビジネスの問題に迫った。原作は『三毛猫ホームズの大改装』であるが、内容を大幅に変更し、現代の貧困問題を採り入れた。

ドラマでは「囲い屋」という貧困ビジネスが登場する。表向きは格安住宅の提供を称し、劣悪な建物に監禁する。生活保護費を詐取する。人が住めるような環境ではなく、人間を家畜化するものである。登場人物の台詞にあるように貧困ビジネスは尊い人の命を冒涜する。

悪徳業者の不正を追及するジャーナリストが悪徳業者から脅迫・攻撃される。これは林田力と共通する。東急不動産だまし売りやゼロゼロ物件業者の宅建業法違反などを追及していた林田力も東急不動産工作員やゼロゼロ物件業者から誹謗中傷された。

ビジネスモデル自体が十分に悪質な貧困ビジネスであるが、ドラマでは悪質な裏事情も暴く。建て替えしたい賃貸アパートのオーナーが追い出し屋を使い、他に住む場所のない住民を追い出す。住民が立ち退きに応じない場合は建物を放火する。住む場所を失った住民は貧困ビジネスの餌食になる。

現実にもゼロゼロ物件の追い出し屋や東急電鉄による大井町線高架下住民への追い出しが行われている。『三毛猫ホームズの推理』は前クールの刑事ドラマ『相棒』や『ストロベリーナイト』と比べてコメディー色が強いが、今回は社会性が強まった。
http://hayariki.net/6/9.htm

『相棒』は派遣切りや偽装請負、名義貸しなどを描いたSeason9の「ボーダーライン」が「反貧困ネットワーク」の「貧困ジャーナリズム大賞2011」を受賞している。フィクションであるドラマにも真実を伝えるジャーナリズムの力があり、ドラマによる貧困ビジネス追及に今後も期待する。

貧困ビジネスに虐げられ、搾取された被害者が悪徳業者への復讐を考えることは十分に共感できる。悪徳業者は追い詰められても「助けてくれ」と命乞いはするものの、自分達の悪事への反省はない。この点は現実の悪徳不動産業者と重なる。宅建業法違反で業務停止処分を受けながら、ホームページで誤魔化したゼロゼロ物件業者もいる(林田力「都 知事選出馬の渡辺美樹・ワタミ会長の経営の評価」PJニュース2011年2月21日)。

刑事ドラマでは、どのような理由であれ、犯罪は悪という結論にならざるを得ないが、貧困ビジネスの悪質さを踏まえるとフラストレーションが溜まる。今回は悪徳業者への一定の復讐がなされた後で止めに入る。その点で悪人の首謀者だけが救われた第6話「復讐の卒業写真…涙の女刑事」よりは救われる。(林田力)
  

Posted by 林田力 at 21:24Comments(0)

2012年05月28日

平清盛、保元の乱

平清盛の視聴率が低迷する理由は主人公の清盛に教養のないところである。保元の乱では両陣営で武士が夜討ちを進言する。悪左府は退け、信西は採用した。これが勝敗の決め手となった。ドラマでは悪左府と信西が同じ孫子の一節を引用しながらも反対の解釈を導き出す。古典的素養のある歴史ファンには味な演出であるが、問題は主人公の出る幕がないことである。折角、白河院の落としだねと設定するならば貴族的な素養を与えても良かったように思える。
保元の乱は武士の力を見せつけた戦争であった。武士の進言を採用した後白河天皇方は勝利し、武士の進言を貴族的な発想で却下した上皇方は敗北したという結末にも、それは現れている。ところが、ドラマでは武士の進言よりも、それを採否する信西と悪左府がクローズアップされる。ドラマの味な演出の中に主人公が入っていない点がドラマ低迷の要因ではないか。林田力
  

Posted by 林田力 at 18:36Comments(0)

2012年05月27日

三毛猫ホームズの推理で貧困ビジネス

テレビドラマ『三毛猫ホームズの推理』で貧困ビジネスの問題に迫った。表向きは格安住宅の提供を称し、劣悪な建物に拉致監禁する。人が住めるような環境ではない。生活保護費を詐取する。登場人物の台詞の通り、貧困ビジネスは尊い人の命を冒涜するものである。
悪徳業者の不正を追及するジャーナリストが悪徳業者から脅迫・攻撃される。これは林田力と共通する。林田力は東急不動産だまし売りやゼロゼロ物件業者の宅建業法違反など不正を追及しているが、ゼロゼロ物件業者と一体化した東急不動産工作員から誹謗中傷された。
貧困ビジネスは、そビジネスモデル自体が十分に悪質であるが、ドラマでは悪質な裏事情も暴く。建て替えしたい賃貸アパートのオーナーが追い出し屋を使い、他に住む場所のない住民を追い出す。住民が立ち退きに応じない場合は建物を放火する。住む場所を失った住民は貧困ビジネスの餌食になる。
現実にもゼロゼロ物件の追い出し屋や東急電鉄による大井町線高架下住民への追い出しが行われている。三毛猫ホームズは前クールの刑事ドラマ相棒やストロベリーナイトと比べてコメディー色が強かったが、今回は社会性が強まった。相棒は貧困ジャーナリズム賞を受賞している。テレビドラマによる貧困ビジネスへの切り込みに期待する。
貧困ビジネスに虐げられ、搾取された被害者が復讐を考えることは十分に共感できる。悪徳業者は追い詰められても「助けてくれ」と命乞いはするが、自分達の悪事への反省はない。この点は現実の悪徳不動産業者と重なる。宅建業法違反で業務停止処分を受けながら、ホームページで誤魔化したゼロゼロ物件業者もいる。
刑事ドラマでは、どのような理由であれ、犯罪は悪という結論にならざるを得ないが、貧困ビジネスの悪質さを踏まえるとフラストレーションが溜まる。今回は悪徳業者への一定の復讐がなされた後で止めに入る。その点で悪人の首謀者だけが助けられた前回よりは、スッキリする。林田力
  

Posted by 林田力 at 16:01Comments(0)

2012年05月27日

橘匠講演会

ジャーナリズム、陰謀、スピリチュアル。
東急はけしからん会社と英会話教室の講師が怒っていた。二子玉川RIZE問題。日本人は仕方ないと言う。理解できない。日本人は怒らない。
東急はちゃんとしたビジネスをしていない。補助金ビジネスになっている。二子玉川再開発には既に四百億円以上の税金が使われている。
陰謀論は全くの妄想もある。証拠も要らない。下調べのみで取材もない。妄想で完結する。
311事件後に変わってきた。放射能が体に悪いことは医師が知っている。騒げばいい。プロ市民が北九州で瓦礫阻止で暴れている。
スピリチュアルは見えた、見えないの世界になる。7月に東南海地震が起こると予言される。陰謀論を調べていた人がスピリチュアルの世界に進んでいる。
放射能怖いと言っていると、それで不安定になる。何かにすがり付きたくなる。
終末論と資本主義はセット。店を畳むから買ってという仕組みである。ネタは次々と出てくる。米ソの核戦争、ノストラダムス、アセンション。
自分はA層と陰謀論者は思っている。しかし、証拠は要らないと言っていたら、テレビに洗脳されている人を笑えない。
予言が外れたら、俺が止めたんだと言う。
2012年予想。EUはどんずまり。生産国はドイツだけ。
天皇家とは何ぞや。日本の国体に関係する。『本土の人間は知らないが、沖縄の人間はみんな知っていること』。国体護持とは天皇を米軍が守る。なんちゃって日本に国名を変えた方がいい。
EUはどんずまり。キーワードはアイスランド。アイスランドがBIS脱退。債務を踏み倒した。情報統制されている。インフレが起きたが、輸出国になった。
金融機関は債権を持っているからギリシャにデフォルトして欲しくない。
米軍と天皇はセット。その下に霞ヶ関。霞ヶ関に原爆落とせと言うと地方講演で受ける。霞ヶ関がなくなっても民間でできる。官僚を何とかしろ。官僚のバックにいる最高責任者は誰か。
今の天皇は個人的に嫌いではない。天皇家は無理が来ている。皇太子妃は皇室に入らなければ良かった。
秋篠宮と皇太子は顔が違う。皇居に行ったプッツン女優も実は隠し子とか。皇室から解放してあげたい。
自民党はろくでもなかった。CIAから金をもらっている人、安倍晋三のようなボンボン、金権政治家しか首相にならない。最悪なのは先頭で、アメリカの言いなりになる。
新大阪は大阪の中心部に行くことが不便。それは金権政治家が土地転がしして駅を誘致したから。
金権政治家が地盤の二級河川を一級河川にして自治体の負担を減らした。
今は政治家と官僚の立場が逆転した。官僚が政治家を動かしている。
パチンコ年間20兆円。利権化している。失われた二十年間。金持ちはパチンコをしない。趣味がある人はパチンコをしない。
仕事がないと、やることがなくなり、可哀想になる人が多い。被災地ではパチンコが繁盛している。
政治家がパチンコ屋のアドバイザーになっている。警察も絡んでいる。パチンコ屋に警察が集金に来る。昔は暴力団がバックだったが、今は警察である。そのためにやりたい放題になっている。遠隔操作で勝ち負けを自由に決められる。わざと勝たせて中毒にすることもできる。フィーバーにはサブリミナル効果が使われている。フィーバーの幻覚が日常生活でも見えて生活に支障をきたす例もある。
暴力団関係。アメリカの意向で山口組から稲川会に変わった。アメリカが山口組最高幹部を狙い撃ちにした。そこには日本の新自由主義と繋がっている。
秘密を共有した結束は強い。アメリカ様の言うことは全部聞いておきなさいとなっている。
島耕作は四人の実在人物をモデルにする。日本航空123便にTRONが乗っていた。墜落は撃墜と言われている。米軍、自衛隊、ソ連の説がある。
千葉県柏市に強力な勢力がいるが、わざと弱いフリをしている。
得体の知れない約束を守ることが良心。約束を守れない人はクズと呼ばれる。約束の内容は時代や地域によって異なる。そこに罠がある。人をのっぺらぼうにさせる。権力者の思惑通りにする。
リビアは貧しい国であった。カダフィが全ての国民に家を持たせたら殺された。
アラブの王族は国際資本が擁立しただけである。石油利権と引き換えに王国とした。
中国の脅威が喧伝されているが、茶番である。
海外旅行先としてメキシコを勧めた。麻薬で怖いというイメージがあるが、洗脳である。メキシコは皆ニコニコで楽園であった。反対はキューバ。昔のソ連のように冷たい国。
政治家の仕事は法案を書くことであるが、それを知らない政治家が多い。自分の仕事を知らない人達が遊んでいるだけ。
フリーエネルギーは人類の夢。マインドコントロールにかけられている。
  

Posted by 林田力 at 14:39Comments(0)

2012年05月27日

報道の脳死:書評

マスメディアは権力の手先という陰謀論的な見方がある。これに対して『報道の脳死』の分析は、もっと絶望的である。主体的に権力の手先になっているというよりも、無能や怠惰によって権力の手先として機能している姿が浮かび上がる。ネット上では悪の枢軸であるかのようにマスメディアを憎む声があるが、実際は全力を傾けて憎むほどの価値もない卑小な存在である。それでもマスメディアが一定の社会的な影響力を持っていることは事実であり、問題は批判しなければならない。ここに絶望がある。叩くべき敵は強大であって欲しいものである。敵ながら天晴れというべき点があって欲しいと思いたい。その願望が強まって事実を曲げると陰謀論がたくましくなり、敵勢力が妄想される。
本書の計画停電への批判は鋭い。当初は輪番停電と呼ばれていたが、いつの間にか使われなくなったという言葉の変遷にも注目する。実際、都心部が停電しないなど輪番ではなかった。しかも、区部でもない武蔵野市が政令指定都市を差し置いて停電対象から外れるなど、不公平なものであった。林田力
  

Posted by 林田力 at 11:02Comments(0)

2012年05月27日

林田力history

 2003年6月、林田力は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して東京都内の新築分譲マンションをだまし売りされる。
 2004年12月、林田力は消費者契約法第4条第2項(不利益事実の不告知)に基づき、売買契約を取り消す。
 2005年2月、林田力は売買代金の返還を求めて東急不動産を東京地方裁判所に提訴する。
 2006年8月、東京地裁で原告(林田力)勝訴の判決が言い渡される(東京地判平成18年8月30日、平成17年(ワ)第3018号)。
 2009年7月、林田力は東急不動産との裁判を綴ったノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』を出版する。
 2009年11月24日、林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク・東京準備会が主催する第3回首都圏交流会で東急不動産だまし売り裁判を報告する。
 2010年1月、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)事業計画(案)に対する意見書を東京都に提出する。
 2010年2月5日、林田力は「もめごとのタネはまちづくりのタネ研究会」定例会で東急不動産だまし売り裁判を報告する。
 2010年4月20日、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)事業計画(案)に対する口頭意見陳述を世田谷区玉川総合支所で行う。
 2011年10月18日、林田力は二子玉川東第二地区市街地再開発(二子玉川ライズ2期)組合設立認可決裁文書の情報非開示異議申し立てに対する口頭意見陳述を東京都庁第一庁舎で行う。
 2011年11月7日、林田力は景観と住環境を考える全国ネットワーク「マンション紛争・都市問題首都圏交流サロン」で二子玉川ライズ問題や世田谷区デジタルコンテンツ問題、巨大アンテナ問題を報告する。
 2011年11月9日、林田力は世田谷区実施計画・行政経営改革計画素案に二子玉川ライズ補助廃止の立場から意見提出する。
http://hayariki.jakou.com/index.html
  

Posted by 林田力 at 08:52Comments(0)

2012年05月26日

東急大井町線ガード下住民追い出しは居住の権利侵害

お手紙拝読しました。東京急行電鉄(東急電鉄)の東急大井町線高架下住民追い出しを居住の権利侵害と位置付けることは適切です。住民にとって生活や生業の場であり、賃借権の相場を下に立ち退き料を幾らか払えば済むという話ではありません。そのような土俵での議論にしてしまうことが根本的な誤りです。住民には生活保障が必要です。その思想的バックボーンとなるものが居住の権利であり、人権です。
居住の権利への注目は運動論的にも意義があります。居住の権利や住まいの人権を掲げた運動があり、活発に活動しています。以前紹介した住まいの貧困に取り組むネットワークも、その一つです。悪質なゼロゼロ物件業社の宅建業法違反を告発し、東京都が業務停止処分としました。そのような運動との連携も考えられます。
引用は阪神大震災を背景としています。被災地に強引に再開発ビルを建設し、昔ながらの住民が追い出され、再開発ビルに入居した商店主も借金だらけで夜逃げするという悲劇が起きています。東急不動産は東日本大震災でも復興支援をしていますが、被災地を搾取することになるのではと懸念されます。住民不在の再開発は二子玉川RIZEにも重なります。林田力
  

Posted by 林田力 at 17:38Comments(0)

2012年05月26日

『BILLY BAT』人類は月に行っていなかった

『BILLY BAT(9)』(講談社、2012年5月23日)ではアポロ計画の嘘に挑む。俄然面白くなってきた。浦沢直樹は『20世紀少年』で高度経済成長期の大阪万博に代表される「人類の調和と進歩」の価値観の歪みを描いた(林田力「業平橋駅がスカイツリー駅に変わる寂寥感」PJニュース2011年1月16日)。『BILLY BAT』では人類の科学史上の「偉大な一歩」と喧伝されるアポロ計画の虚飾に斬り込む。

もともと下山事件という戦後史の闇に切り込むことで注目された『BILLY BAT』であったが、戦国時代の巻物争奪戦など話題が転々として失速した。やはり投げっぱなしは宜しくない。一貫性が大切である。

その後はケネディ大統領暗殺という有名な事件が描かれることで再浮上したが、パンチ不足は否めない。もともとケネディ暗殺事件がオズワルドの単独犯ではないとする見解は広範な市民権を得ている。今更、陰謀が介在したと描いても、ありきたりである。『BILLY BAT』では主人公達の暗殺を阻止しようとする行動がドラマを盛り上げたが、その努力がなんだったのかというほどに暗殺後は公式見解通りの展開になった。

「人類は月に行っていなかった」とするアポロ計画の捏造説も知られた話である。月面着陸は地球上のスタジオで撮影されたものとする。アポロ計画には以下のような疑問が提示されている。
http://www.hayariki.net/5/48.htm
空気も風もないはずの月面で星条旗がはためいている(林田力「科学信奉者への反感」PJニュース2010年11月13日)。放射能防御を施していないロケットがヴァン・アレン帯を通過して人員が無事なはずはない。月面では重力が地球の1/6であるにもかかわらず、ビデオの中での物の落下速度が地球上のものと同じである。

アポロ計画陰謀論は権力だけでなく、科学という権威にも挑戦するものである。世の中には「非科学的」とラベリングしたがる科学信奉者もいる。それ故にアポロ計画の陰謀を描くことはケネディ暗殺の陰謀を描くこと以上にスリリングである。さらに『BILLY BAT』ではアポロ計画陰謀論の関係者に下山事件と接点のある人物が登場する。物語の初期のテーマと繋がった形である。(林田力)
  

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2012年05月25日

ビリーバット、アポロ計画の嘘に挑む

ビリーバットではアポロ計画の嘘に挑む。俄然面白くなってきた。もともと下山事件という戦後史の闇に切り込むことで注目されたビリーバットであったが、戦国時代の巻物争奪戦など話題が転々として失速した。やはり投げっぱなしは宜しくない。一貫性が必要である。
ケネディ大統領暗殺という有名な事件が描かれることで再浮上したが、パンチ不足は否めない。もともとケネディ暗殺は陰謀論では有名すぎるほど有名な話であり、陰謀を描いても、ありきたりになってしまう。ビリーバットでも主人公達の努力が何だったのかというほど公式見解通りの展開になる。
それに対してアポロ月面着陸の捏造も有名な話であるが、相対的には新鮮である。アポロ月面着陸は権力だけでなく、科学信奉者にも信者がいるために、その捏造の主張は大きな議論を起こしやすい。
ビリーバットでは月面着陸捏造の関係者に下山事件と接点のある人物が登場する。物語の最初の謎と繋がった形である。林田力
  

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2012年05月25日

東急不動産だまし売り裁判の温もり

東急不動産に売買代金の返還を命じる判決によって東急不動産だまし売り被害者の頬には温もりが戻りだし、血液が循環しはじめた。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急リバブル東急不動産は冷酷無慈悲な殺し屋同然であった。見下げはてたゲスであった。消費者感覚から逸脱した東急リバブル東急不動産にはオズの魔法使いの台詞を贈呈する。ここはカンザスじゃないんだよ。
悪徳不動産営業は自らの威信を高められることであれば何であれ自慢し、吹聴することに多大すぎるほど多大な時間を費やしていた。消費者がカンカンに腹を立てている状況を高みの見物と決め込んでゲラゲラと大笑いするような輩であった。
東急リバブル東急不動産が道徳や倫理を屁とも思っていないことは分かりきっていた。しかし、それは東急不動産だまし売り被害者の林田力にとっては大事なものであった。東急不動産営業と話した後では新鮮な空気が必要であった。
粗末な備品、過酷な労働時間、サディストの上司、耐え難い圧力。どれもこれもが悪徳不動産業者の一部であった。悪徳不動産営業の仕事は激しいプレッシャーと激しいストレスそのものであった。再開発ビルのレストランの雰囲気は刑務所の食堂と大差なかった。
林田力『東急不動産だまし売り裁判こうして勝った』を読めば、マンションだまし売り業者の関係者は刑務所送りになるべきと確信できる。最高経営責任者も取締役も重役会義のメンバーも。とにかく全員である。一つの企業グループを丸々刑務所に入れることは非現実的であるが、マンションだまし売りに従事したことのある人間全員に限って例外を設けるべきである。
  

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2012年05月23日

『義風堂々!!直江兼続~前田慶次酒語り』

武村勇治『義風堂々!!直江兼続~前田慶次酒語り』は大河ドラマ『天地人』で脚光を浴びた直江兼続を主人公とした歴史漫画である。原哲夫の人気漫画『花の慶次 雲のかなたに』のスピンアウト作品で、原作者に原と堀江信彦が名を連ねる。兼続は前田慶次の莫逆の友という設定である。

もともとは『義風堂々!!直江兼続 前田慶次月語り』と題して『週刊コミックバンチ』で連載されていた。晩年の慶次が若い頃の兼続の人生を語るという形式で、新発田重家の乱の鎮圧までを扱った。兼続は前田慶次に会う前であり、基本的に本編で慶次は登場しない。

掲載誌を『月刊コミックゼノン』に移した『酒語り』では、慶次と兼続が酒を飲みながら、二人が出会った後の出来事を昔語りする。『花の慶次』の出来事を、兼続を主人公として再構成する。『花の慶次』ファンにとっては懐かしさもある内容である。

前田慶次は原哲夫にとって最も成功したヒーローである。圧倒的な強さだけでなく、清々しい性格が周囲を魅了する。原哲夫の代表作と言えば『北斗の拳』であるが、キャラクターのインパクトは主人公のケンシロウよりも、ラオウを筆頭とする脇役陣が強い。『北斗の拳』の世界観を継承した『蒼天の拳』の主人公・霞拳志郎の性格はケンシロウよりも慶次の影響を受けたものになっている。

そのような慶次を『義風堂々』の本編に登場させることは作品の魅力を向上させるが、難しさもある。『花の慶次』の兼続は慶次の莫逆の友であり、理解者であったが、対照的な存在でもあった。傾奇者の慶次に対し、兼続は常識人であり、慶次と比べると優しさや甘さがあった。それ故に『花の慶次』では慶次が主人公として引き立てられた。一方、『義風堂々』では兼続自身が慶次の存在に近い。そこに慶次を登場させるならば、二人の傾奇者が存在するようなものになり、両者を共に輝かせるという技量が求められる。

第1巻では兼続と慶次の最初の出会いと「佐渡攻め」のエピソードが収録されている。最初の出会いは『花の慶次』とは全く別の話である。共に上杉家家臣の揉め事を発端とするが、登場人物も設定も異なる。『花の慶次』では対立する側も最後には「いくさびと」の心意気を理解して大団円となるが、『義風堂々』では義のない人間を冷たく切り捨てた。

兼続には兜の前立ての文字「愛」を現代的に解釈して優しいイメージが付されがちである。しかし、兼続には「死者を生き返らせろ」と要求する人の首をはねて閻魔大王への死者としたというトンチが効いているが残酷なエピソードも伝えられている。『義風堂々』の兼続も自らがモットーとした「義」の苛烈さを描いている。

次巻に続く「佐渡攻め」は『花の慶次』を踏襲するものの、佐渡の国人の背後には豊臣秀吉や前田利家の陰謀があるという設定が加えられた。『花の慶次』では慶次にやりこめられる小人として描かれた利家も、上杉家の視点では越後や佐渡を狙う有力大名という脅威になっている。そのような利家の存在が、上杉家の佐渡攻めに慶次が参戦する意味を強める。『花の慶次』を大胆に再構成した『前田慶次酒語り』の展開に注目である(林田力「『義風堂々 前田慶次酒語り』第1巻、『花の慶次』を大胆に再構成」リアルライブ2011年4月23日)。
http://www.hayariki.net/5/47.htm
第2巻は佐渡平定と秀吉の前田慶次謁見要求を描く。どちらも『花の慶次』で描かれたエピソードであるが、『義風堂々』では直江兼次の物語としてまとめている。

『花の慶次』では礼儀正しい兼次と傾奇者の慶次が好対照をなしており、兼次は慶次の引き立て役になっていた。これに対して『義風堂々』では兼次も傾奇者的であり、兼次と慶次が並び立つのか疑問があった。しかし、ここでは兼次に主役の花を持たせている。秀吉への謁見の対応では慶次の方が弱気な対応をしようとした方であった。『花の慶次』に引きずられすぎず、兼次の物語になっている。

第3巻は前田慶次の豊臣秀吉への拝謁を描く。これも『花の慶次』で描かれた内容であるが、新解釈を加えている。慶次の度肝を抜く髪型は慶次の独創ではなく、遊女のアイデアとする。また、忍術を修めた存在として秀吉を描いている。伝統的な秀吉像は頭脳派で個人としては武に秀でた存在ではなかった。最近では石井あゆみ『信長協奏曲』でも秀吉を忍者出身と描いている。新しい秀吉像にも注目である。(林田力)
http://yaplog.jp/hayariki/archive/638
The Suit TOKYU Land Corporation's Fraud
http://tokyufubai.bakufu.org/images/
  

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2012年05月23日

女の香り

『女の香り』は韓国ドラマ。『私の名前はキム・サムソン』の女優がヒロインを演じる。冴えない女性と大企業の御曹司のラブストーリーという枠組みは同じであるが、『女の香り』の方が深刻である。ヒロインが怒らせてしまう人物がムスリムであるなどドラマは社会の多様性を反映している。このようなところにも韓国が国際的な存在感のある理由が理解できる。
印象的なキャラクターにヒロインの恋敵役の財閥令嬢がいる。ヒロインを見下す嫌な役どころであるが、目大きくてが印象的で、ステレオタイプな心の貧しい金持ち像に収まらない。目が重要な要素であることを再確認した。林田力
  

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2012年05月23日

アソシエイト上巻

『アソシエイト』はジョン・グリシャムの小説である。冒頭から主人公はピンチに陥る。起訴状といっても、金を強請りとるための手段にすぎないという台詞がある。84ページ。民事紛争を有利に進めるために刑事手続きを悪用する輩がいる実態を明らかにする。これは日本でも対岸の火事ではない。
公費の無駄づかいを監視する市民グループは、有人シャトルによる火星探査計画であるかのように反対運動を繰り広げた、という表現がある。189ページ。宇宙開発が典型的な税金の無駄遣いと扱われて興味深い。はやぶさやロケット打ち上げを国を上げて祝う雰囲気のある日本はナイーブである。
グリシャムは、弁護士や法律事務所をテーマとしたリーガルサスペンスの第一人者である。『アソシエイト』は、グリシャムの作品では新しい部類に入る。スマートフォンやサブプライムローンという現代の世相を反映する。
アメリカのリーガルサスペンスでは弁護士ばかりが肥え太る訴訟社会の虚しさが描かれるが、時間単位の報酬請求など対価性を無視した弁護士報酬の仕組みが問題であることが分かる。依頼人にとって無意味な仕事で弁護士は報酬を請求する。積極的に宣伝広告して費用の高い法律事務所に依頼しないなどの工夫で訴訟社会の愚は回避できる。
訴訟社会に対して日本的な譲合いや和の精神を持ち出す立場があるが、これには反対である。消費者や労働者のような弱い立場にいる人々にとっては権利が命綱になる。譲合いや和の精神では虐げられた人々が泣き寝入りを迫られ、焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むことしかできない発想を美徳とするような愚かさに陥ってしまう。
アソシエイトの主人公は必ずしも道徳的に正しい立場ではない。過去の行状を隠蔽する姿勢に嫌悪感を抱く向きもあるだろう。それでも主人公に評価できる点があるとすれば弁護士倫理を守ろうとしているところである。日本では弁護士は公正中立ではないと最初から弁護士倫理を放棄した宣伝をする法律事務所がある。米国社会は多くの問題を抱えているが、先進社会故の問題であり、日本の方が嘆かわしい面がある。
  

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