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2018年02月03日

秀吉の活

#豊臣秀吉 #歴史 #小説
『秀吉の活』は豊臣秀吉(藤吉郎)を主人公とした歴史小説である。本書の特徴は槍働きや調略という純軍事面だけではなく、普段の実務を重視していることにある。「数百石の無駄をなくせば、それはつまり数百石の敵の領地を奪ったと全く同じ」との台詞がある(94頁)。これは現代の経営のリストラクチャリングに通じる。逆に墨俣の一夜城築城は一行で済まされている(220頁)。義父の竹阿弥は意外と藤吉郎の理解者になっている。
一般の歴史小説と比べた特徴は就活や婚活など現代人の活動に合わせて章立てしていることである。但し、現代感覚と言っても、昭和的な前向きサラリーマン出世街道ではない。
出発点には武士に蔑まれ、父親の形見の豆を奪われた恨みや怒りがある。恨みや怒りが大きなエネルギーになることは真実である。仕官する際も寄らば大樹の発想で今川家を選び、織田信長は滅ぼされると避けていた。藤吉郎が織田信長についたきっかけは主体的なものではなく、他人に引っ張られたためであった。また、藤吉郎はしょうもない失敗もするし、挫折もする。前に進むだけの存在ではない。序盤は藤吉郎以上に前田利家の破天荒ぶりが面白い。藤吉郎一人の天才ぶりというよりも、寧々や小一郎らの協力が大きい。


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