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2018年06月15日

樅ノ木は残った中巻

山本周五郎『樅ノ木は残った』中巻。原田甲斐は敵を欺くには味方からを実践している。この原田甲斐の姿勢では味方を失っても仕方がない。甲斐としては自分が犠牲になればよいと覚悟し、多くの人を巻き込みたくないのかもしれない。柿崎のような胡散臭い人物には容易に腹の内を空かさないことは当然である。一方で昔ながらの人物も膝詰めで談判し、自分には腹の内を明かしてくれるだろうという内々の特権意識が感じられる。甲斐には現代的なリーダーの資質であるビジョンの共有や透明性に欠けていると感じたが、周囲もどっちもどっちである。
甲斐と伊達兵部の対決であるが、甲斐の動きは見えにくく、対決そのものではない日常描写もあるため、兵部のターンの方が読み応えがある。さらに甲斐とも兵部とも異なる立場の脇役のターンもあり、これが人情物の要素が色濃い。物語の展開を早く読みたい向きには異論があるだろう。


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